Kinako先生のBlog

子どもの『成長』について一緒に考えよう!

おすすめの本⑥

皆さ~ん、おはこんばんちは!

きなこ先生ですヾ(*´∀`*)ノ

今回おすすめしたい1冊はこちら~

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夜のピクニック

■ 作者とジャンル

恩田 陸 著による長編青春小説

※ 第2回本屋大賞を受賞した作品

 

■ 対象学年

中学生から

 

■ 概要

北高の伝統行事として、毎年、全生徒が夜を徹して80㎞の距離を歩くというものがあり、高校時代最後のイベントとなる3年生に本作は焦点を当てている。参加する生徒たちは、それぞれ様々な思いや悩みを抱えていた。甲田貴子ももちろんその一人。彼女は同じクラスの西脇融のことがずっと気になっていたが、融には避けられる日々を過ごしていた。実は、二人には担任ですら知らない事実が隠されており・・・そして、ついに貴子は『歩行祭』で融との関係に一石投じようと賭けに出る。ただ歩くだけの『歩行祭』が彼らにもたらした結末とは?

 

■ おすすめの理由

この作品をきなこ先生がおすすめしたいと思ったのは、ただの青春物語とは一味も二味も違うからです。以前ご紹介した【おすすめの本②『ふたり』でもありましたが、今作の主人公の二人に起こる出来事も、もしかしたら自分にもおこり得たかもしれず、どうやってその気持ちを子どもなりに消化していくかが見どころとなっています。

kinako-sensei.hatenablog.com

まず、この先さらに述べていく上で、ここで貴子と融の関係性を明るみにしなくてはなりません。ですが、だからといって、この作品の真髄が損なわれることは決してないと思いますので、安心して読み進めていってもらえればと思います。

 

貴子と融の間に隠されている理由とは、二人が母違いの『異母兄妹』であるということです。融の母は浮気された側(され妻)、貴子の母は浮気相手という構図のため、子ども達二人の関係性もおのずと『被害者と加害者』的な感情が芽生えてしまっています。

 

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一生この感覚を背負って生きていくの? 

 

多くの学生たちは、クラブ活動に人間関係といった王道のしんどさは経験していても、爽やかな青春を送ることが多いのではないでしょうか?

それに比べて、本作の主人公二人は、同じ学校で3年間も一緒で、常に鏡の中の自分が近くにいるわけで、心からの青春を楽しめていなかったと思います。

しかも、この不条理さは、二人が自ら引き寄せたものではなく、生まれた時から背負わされた宿命のようなものですよね・・・(´;ω;`)ウッ…

 

それをなんとか変えていきたいと、高校生が奮闘するわけです!

もう応援したくなりませんか?(*´▽`*)

読者以上に、この作中で彼らを取り巻く友達も二人の関係性を改善しようとします。その時間をかけた『秘策』が、本当に学生らしい行動で、ほっこりします( ´艸`)

 

他の生徒たちと違い、この主人公たちにとって、歩行祭のゴールは本当のゴールではなく、これからも『異母兄妹』という関係性とは向き合っていかなければなりません。

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ですが、ただひたすら歩くことを通して、彼らの考え方や感じ方がプラスに転じていくニュアンスで締めくくられていたところに、著者の優しさが見られました。

 

最後に、『夜のピクニック』という題名ですが、読み進めていくにつれて、著者が『夜の』とつけたところが頷けると思います。

そうですねぇ、イメージとしては、修学旅行先のホテルで深夜に、友達に今まで言えなかったような恋バナを打ち明けたことってありません?他にも、夜の日記や手紙だと、本心を語りやすくなりますよね(*´▽`*)

だから、筆者は雑音も景色も何も入ってこない夜という空間の中で、登場人物たちが色々な心情を吐露し始めることから『夜の』と強調したのかなと感じました。

 

よくある恋愛や友情といった話ではなく、私自身が想像していた青春の「ほろ苦さ」とは違ったところに、グッと心を持っていかれた作品でしたヾ(*´∀`*)ノ